【日本革市】NIHON KAWAICHI

きめ細やかな感性と、確かな「なめし」の技術。

一般社団法人 日本タンナーズ協会 Tanner's Council of Japan
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T.M.Y’s × 野村製作所

箔貼りで立体感を強調したラム革

東京・墨田区を悠々と流れる荒川。T.M.Y’s(ティーエムワイズ)は、その西岸の一画に位置する。創業は1923年で、2005年に新会社としてT.M.Y’sを設立。シープスエードをメインに、ラムやゴートなども取り扱っている。シープスエードは常時200色以上の在庫を保有しており、1枚からのオーダーにも迅速に対応している。

T.M.Y’sでは、オーダーに応じた仕上げ加工に定評がある。特に評価が高いのは、箔張り加工だ。

「毎年ヨーロッパのファッション素材展に足を運び、世界的に流行している加工法を学んで日本向けにアレンジしています」

そう語るのは、3代目の渡邊守夫さん。数千種類におよぶフィルムの在庫を用意し、アイロンを使った箔張りを行っている。この加工は、革とフィルムの組み合わせによって、驚くほどの数の柄を生み出すことができる。

また、2020年9月には設備の充実した新工場へと移転。温度を一定に維持できるステンレスのドラムを設置したため、安定した染色が可能となった。また、SDGsを意識して排水設備も刷新。今後は、プリントやレーザーといった加工のできる新たなマシンの導入に加え、工場見学の受け入れ、自社ブランドの立ち上げも予定している。

勢いに乗るT.M.Y’sが『第6回 国際生地・素材EXPO』に出展する革のうち、特別に注目したいのが、ラム革をシュリンク加工した「ラムリア」だ。

「ナチュラルな革でシボを均等に出すのは困難ですが、何度も箔を重ねることで凹凸を出し、立体感を強調しました。とてもやわらかいので、靴にしたらフィット感は抜群でしょうし、財布や小物にしても手触りが心地よいと思います」

このほかにも、独創的な技術を応用して製造した多数の革を揃えた。

革の特性を残しつつ製品を生み出す

個性あふれるT.M.Y’sの革を選んだのは、ものづくりの盛んな東京・台東区に本社のある野村製作所。OEMを中心にオリジナルも製造している、プロフェッショナルの集うメーカーだ。

「私たちはベテランの親方から、『常に野村製作所の品質を意識しろ』と言われながら技を教わってきました。個々がプロダクトの出来について『これくらいでいいだろう』と判断すると、クオリティを落としてしまう可能性がある。常に野村のレベルを意識することで緊張感を維持し、製品の完成度を高めています」

職人のひとりである細野悠介さんは、自社のものづくりについてそう語る。

今回のコラボレーションにあたり、細野さんをはじめとする野村製作所のメンバーはT.M.Y’sに赴き、たくさんの革の中から数種類を選んだ。

「加工されているものがほとんどでしたが、触ってみるとどれも革らしいあたたかみが伝わってきました。熱を加えてプレスしているにも関わらずやわらかさをキープしている技術はすごいと思いましたね」

プロダクトを製造するにあたっては、ラムやシープなどの革そのものが持つふんわりした雰囲気を残すため、「縫い返しでステッチを内側にしたりすることで、しなやかな表情を残しました」。素材を活かすことを重視したプロダクトは、手にするとしっくりとなじむ。サイズ感なども熟慮されており、一歩踏み込んだ機能性を持ち合わせているといえるだろう。

最後に、日本のタンナーが製造した革の魅力について聞いてみた。

「どれも完成度が高く、『こんなものでいいだろう』と妥協していないことが充分に伝わってきます。今後は国産の革をもっと使っていきたいですね」

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