良質な素材で、丁寧に良いものをつくる
そして、いつか海外のお客さまとも鹿革のすばらしさを共有したい
株式会社 KAZINO leather works/梶野恭男さん
身に着ける衣類、家具、そして小物たち......。身近に存在する革に関するモノコトを、革を愛し、ふだんのライフワークとしている人に聞く。日本の革の魅力って、すばり何ですか?
手触りの良い上質な鹿革を、手縫いで日常の道具に仕上げる。シンプルながらも、そこには自然の恵みを長く愛用してほしいという作り手の思いが込められている。「KAZINO」のデザイナー・梶野恭男さんに、その原点を伺うため、東京・八王子のショップを訪ねた。
自宅まで9時間歩いたその時、独立を決意した
今年、ブランドがスタートして10年目という節目を迎えたKAZINO。JR八王子駅から雰囲気の良い個人商店が立ち並ぶみずき通りを歩いていると、ガラス扉越しのカラフルな空間が目に留まる。一見するとカフェのようだが、そこに並ぶのはさまざまな色合いのバッグや革小物。財布やカード入れを手で触れてみると、まず鹿革特有のやわらかさと軽さに驚く。
趣味でつくっていた鹿革製品を掲げて独立
会社員として仕事をしながらも、趣味で鹿革製品をつくっていた梶野さん。独立を決意したときにはすでにクラフトフェアや百貨店でのイベントも好評で、少しずつブランドとしての未来予想図が描けていたタイミングでもあった。
このショルダーバッグは梶野さんも愛用しているが、実はこれまでに新品ではなく、梶野さんが長年使い込んだバッグがどうしても欲しいという人も多かったという。
目下の夢はニュージーランドへの逆輸出
KAZINOの革製品は、ニュージーランド原産の鹿皮を日本のタンナーで鞣したものを採用。ブランド設立時はナチュラルカラーの展開だったが、お客様からの声も多く、今ではレッドやグリーンなどが加わり全9色をラインナップしている。
ワークショップの開催で、クラフトマンシップのある革職人を発掘
製品の評判もさることながら、ショップで開催しているワークショップを楽しみにしているファンも多いという。
株式会社 KAZINO leather works(カジノレザーワークス)
●場所/〒192-0066 東京都八王子市本町11-12 ボンシャンス1F
●電話/042-686-2721
●URL/https://www.kazino.jp/
株式会社 KAZINO leather works
八王子のみずき通りにショップ兼工房を構えるKAZINO leather works(カジノレザーワークス)。代表の梶野恭男さんは、ブライダルジュエリーの制作会社やバッグのリペア工房に勤務した後、201……
取材・文/村田奈緒子
写真/山北茜